空と彼と私

征司との間のなんとも気まずい空気を読まない龍さんのバックに立つ人の声。


いや、この人たちは、エリート校に通う面々だから、わざと、気まずい空気を壊してくれたのかも。


「アキラ、うるせェよ」


征司に、アキラと呼ばれた彼は、肩を竦め、ニヤリと笑った。


キョトンと彼を見つめていた私に、彼は、ペラペラと話し始めた。


「いや、ね、麻衣ちゃんが、龍の目を見ても動じないのは、征司の目を見慣れているからだって気づいたんだよ。こいつらの目つき、普通の女の子だったら怯むからね。まあ、要らない噂も便乗してッけど」


「噂ですか?」


「知らない?龍と目が合うと、沈められるって言われてるよ」


知らなかった。
散々、視線を合わせた私は、何度沈められればいいの?


恐くなって震えそうになる体を抱えるようにしていると、不意に後ろから暖かく包まれた。