空と彼と私

征司の上から目線に気分を害することなく、口角だけあげて、龍さんはこたえた。


この時、その二人の姿を目に焼き付けたいと思った。


征司がいた世界から、引退をするなら、もう二度と見られない目の前の光景。


相手が誰でも変わらない態度が眩しい。


「条件はただ一つ。麻衣」


え!?わ、わたし??


意味がわからない。


困惑して、征司に目をやったが、彼の目は、龍さんを捉えたままだった。


「わかった」


はい!?


龍さんには伝わっているの?


この二人のビジネスは、本当に成り立っているの?


「麻衣」


「は、はい!!」


龍さんの声に背筋がピンとなった。


「悪いが、護衛つけさせてもらう」


「……えっ?」


どういう話になっているの?