空と彼と私

「……ッ!!じゃあ、教えてよ」

「……あぁ」


二人の世界に入りかけた時、女が割り込んだ。


「あんたが麻衣?」

「え?あ……」


ハイと言うべきところだったが、挑戦的な目にたじろぎ、思わず征司を見上げた。


「行くぞ!」


征司に引っ張られ歩き始めると、

「待ってよ!私との約束は?私よりもその貧相な女?」

と、聞き捨てならない暴言を背後から浴びせられた。


それにも征司は、一切の反応を見せず、まるで聞こえていないかのように足を動かし、Vipルームへ続く階段を上がって行く。


ザワザワと煩かったフロアが、それにより静寂に包まれた。


上がって行く最中に目に飛び込んだ先程の女は、悔しそうに、下を向いていた。


「アイツは気にするな。麻衣は堂々としてればいい」