空と彼と私

遠くてよくわからなかった光景が近づいていくと、徐々に明らかになっていく。


女から見ても悩ましい腰をしている女性。


背が高い征司と一緒にいても違和感のない、程よい身長差。


モデルのようなその女の白い手が、征司の首にある。


まだわからないが、あれは、上から確認したように、キスしていると思う。


征司の片手は、その女の悩ましげな腰にまわっていて、それを見た瞬間、走ってきた私の足は、ピタリと止まり動かなくなった。


私に気がついた元凶北條が、寄ってきた。


私の腕を引き、どんどんと征司に近づいていく。


そして、より鮮明にキスシーンが見える位置で私を解放した。


耳元で、

「早くしないと、レイコに持ってかれるよ。ククッ」

と、笑いをこらえながら言われると、見世物じゃないのにと、憂鬱になってくる。