空と彼と私

「あいつが見たら嫌がるだろうと思ったら、面白くてさ」


「…………」


この場合のあいつは、征司だとわかるけれど、面白い?意味不だ。


私は、征司を弄る為の道具にすぎないのは、わかるけど、征司が、そんなからかいにまんまと嵌まっていくわけがない。


「言っておこうと思って」


「は?」


「龍さんに、自分から話し掛けるな」


じっと見据えられて、反論の余地すら与えられなかった。


無論、反論する気など、最初から持ち合わせてはいないけれど……。


口を開くのも嫌で、軽く頷くだけして、再び、視線をフロアへと移した。


龍さんの背中を見る。


あのスーツの下に、見る者を虜にしてしまう龍とは、どんなものなのだろう?


単純に、興味がそそられる。


それ程のものなら、見てみたいと思うのが、人の心理。