空と彼と私

それと引き換えに、目に飛び込んできたのは、神龍会の若頭だと思う。


見たことが一度もなかったが、一際目立つ黒いスーツに身を包んで、同様の男の人達をバックに引き連れている。


この位置から見えるのは、その出で立ちがスマートでカッコイイということだけ。


顔がまだはっきりとは見えないが、きっと噂通りカッコイイはず。


でなければ、どこからか現れた、待ち侘びたように群がる女性達は、いないはずだ。


それに一切相手をしていないように見受けられた。


側近、きっと、省吾さんと亮さん。


その二人が、龍さんに近づかないように、うまく女性をガードしている。


「見てたんだ?」


突然開いたドアと声に驚いて振り返ると、冷たい目をした北條とかいう男がいた。


「いけないわけ?」

「いや」


興味なさげな声が響いた。