空と彼と私

もしも、ここに偶然、征司が来たら、もうどう足掻いても、取り返しのつかない状況になる気がして。


そんな危機感で、胸がざわついて仕方ない。


後、少しで出口って所まで戻って来た時、後ろから急に引っ張られた。


「俺のそばから離れるなって言ってあったよね?勝手なこと許されると思ってる?」


一段と低い声に変わった北條とかいう男。


そんな声に怖じ気づくとでも?


「里緒にちゃんと伝えてと頼んだはずですけど」


「あ?知らねェよ」


「じゃあ、もう一度言います」


「必要ねェ。人込みが嫌ならVIPルームで構わない」


「……はぁ。帰らせて!」


「無理。龍さんがあんたに興味持ってんの」


「…………」


逃げようとする私は、がっちりとホールドされ、少しずつフロアへと引きずって行かれた。