空と彼と私

「どーも」


「あれ?機嫌悪い?えっと……りっちゃん?どうしてかな?」


苦笑を北條とかいう男に向けた里緒は、私を肘で突いて牽制してきた。


「別に」


この男の意図が読めないだけに、警戒しているだけ。


何か話し掛けてきた北條とかいう男を無視して、窓に激しく打ち付ける雨を見ながら、征司を思った。


征司のテリトリーにまた足を踏み入れてしまう私を、どう思うのだろう?


今日、私がクラブに行くことなど、絶対知りもしないはずだ。


「まだ早いから、警戒するような連中はいないけど、俺から離れないようにね。ここは、新参者には、手厳しい場所だから」


思考を遮る、楽しそうに、ククッと喉の奥を鳴らすこの男。


やっぱり、いけ好かない。


「あのっ……龍さんは、いつくらいに」


「あー、わかんねェ」