空と彼と私

語尾に、ハートマークなんかついているんじゃなかろうかという感じの里緒に、ア然とした。


「一応、確認するよ。龍さんとは、神龍会、若頭の龍さん?」


「そうに決まってるじゃん。あの美形だよ!一度くらい近くで拝ましてもらいたいじゃん」


「ふーん。まさかと思うけど、抱いてもらいたいとか思ってる?」


「まさか。それは、恐れ多いでしょ。私クラスじゃ無理というものよ、姉さん」


チッと、小さく舌打ちをした私を見て、里緒は、ふざけ過ぎたことを謝ってきた。


龍さん。本名は、神崎大貴。背中に、昇り龍を背負う高校生として有名な彼。


一度寝た女たちは、その龍にみな見惚れ、狂ったように取り付かれるという。


だが、当の本人は、至ってドライだとか。


龍と寝ることが、女の極みといつしか言われるようになったのは、知っているけれど……。