空と彼と私

「ゴメン」


「チッ!行くぞ」


歩き出した征司について行こうと思ったのに、私の横をすり抜ける時に、手が握られた。


……え!!


驚愕しているうちに、繋がった手は、恋人繋ぎになっている。


わからない。
突き放したいかと思えば、こんな風に、ドキドキさせられて……。


暴れ出した心臓が、落ち着くことは、バイクに跨がってもなくて。


密着した体から、そのドキドキが伝わってしまわないか心配で。


いつものように腕ををまわすことが出来ず、遠慮がちになった。


「落ちても知らねェぞ」


いつもよりも一段と低くなった声に、焦った私は、慌てて、きつく腕をまわした。


頻繁に乗ったわけではないけれど、征司のスピードがいつもよりも速く感じる。


運転も、いつもより小刻みに、荒い。


何度となく蛇行している。