空と彼と私

「何?」


冷えきった征司の声に、怯んで手を離しそうになった。


「体育館裏。まだ、征司に会いに行ってもいいって思ってくれてる?」


「…………」


「ダメ?」


手を掴んだことで、近くなった距離。


無理矢理、視線を絡めると、

「勝手にしろ!」

と。


投げやりとも、諦めとも取れる。


長く綺麗な指。私の好きな、ゴツゴツ感。


腕から、指を触るように撫でていった。


「私は、この手に何度も助けられた。送りはいらない」


パッと手を離し、背中を向けた。


ドアを開けたら走り出すつもりが、動けなくなった。


真っ暗。


その私の横を、無言ですり抜けて行く征司に、慌ててついて行くはめになった。


今、断ったばかりなのに。