空と彼と私

探してもいないのに、そう言ったのには特に理由はない。


しいてあげるなら、わかったフリをするよりは、怒らせないで済みそうだということだけだった。


「わかりにくいけど、赤い星を含めて、V字になっているんだよ。で、そっから、こっち見てみ。いくつもの星の固まりがあるだろ?それも、おうし座」


饒舌になった彼にあっけにとられて、口を、ポカンと開けていた。


彼は、星を見上げたままで、ポカンとした私に気づくことなく、続けざまに説明してくれた。


「ほら、昴って聞いたことない?あれだよ」


短くなった煙草が落としていく灰が気になる中、位置を真剣に教えようと彼の手が動く。


「スバルって、あの車の?」


家の近くにある古い車の修理工場に星のマークが書いてあったのを思い出し告げた。