空と彼と私

「送ってくからに決まってんだろ!」


軽く、ため息を征司がついたのを見逃さなかった。


「いらない」


「は?」


「嫌々、送ってもらう程、まだ図々しくなってない」


「…………」


「ちゃんと弁えている」


「…………」


「征司に近づき過ぎたのは謝る。だから――」


見ていけないのを見たことも、さっきの場所のことも言わないから安心して。


そう続けて言おうとしたのに、言えなくなった。


「勘違いしてんじゃねェよ」


と、バイクのエンジンをふかしながらギロッと睨まれたから。


メットをポンと投げられたら、条件反射で受け取ってしまう。


あとは、征司の思うまま、バイクに跨がり、その腰に腕をまわした。


寒い。
いくら、コートとマフラーをしていても、真冬に風をきるバイクは、体がバラバラになるみたい。