空と彼と私

征司に睨まれたのは、始めてかもしれない。


身動き一つとれないくらい鋭くて、胸が苦しくなるくらいに。


知らなかったとはいえ、テリトリーの中で、こんな顔を、私がさせてしまったことを、後悔していた時、征司がそのまま踵を返して、いなくなった。


「ありゃ、荒れるな」


北條とかいう男は、何が楽しいのか笑っていた。


「あんた大事にされてんぜ。今ごろ、下で、あんたヤろうとした男たちが、ボコられてる」


まさか。そんなはずない。


目を丸くした私に、北條とかいう男は、

「嘘だと思うなら、下に降りて見てこいよ」

と、顎で行け!と指し示した。


北條とかいう男の話が終わるか否か、柾木とかいう男は、ドンッと、私の背中を押した。


痛い。それも、すごく。


だけど、文句など言えるわけもなく、二人に促されるまま、階下に向かった。