空と彼と私

あの男、眼鏡は、北條というらしい。


シンから、名前を聞いた事がない。


もしかして、見間違い?


煩い心臓の音が、私の思考を正常に判断させてくれない。


引きずられるように、奥に進んで手を引っ張るチャラい男たちについて行くことに、何の抵抗も感じていないくらいに。


この人たちについて行けば、里緒に会えるかもとか。


北條とかいう男に、会って、シンの友達か確認が出来るなんて、今更、知ってもどうにもならない事を知りたがるなんて、どう考えても正常な思考回路じゃない。


それでも、2階に上がった頃には、暴れる心臓にもなれて、周りを見渡していた。


ほとんど営業などしていないとわかる薄暗く、今にもきれそうな照明。


空調設備が悪く、タバコの臭いが充満するフロア。


置いてあるのは、いつの時代のものかわかり難い、昭和っぽさがある机や椅子。それから、ゲーム機。