最弱ヤンデレ佐々木くん


「僕、藤川さんのためなら……!」

「うんうん、助かるわ。あ、そうか。今日退院だっけ。お祝いとお礼に、佐々木くんの言うこと何でも聞いてあげるわ」

「何でも!?」

脳内に広がる彼女とやりたいこと。
塞がった傷から血が溢れるほど、歓喜してしまった。

いつものように、卒倒してしまうのは当たり前。彼女も慣れた手付きで僕を介抱し、救急車を呼ぶ。

「あ、あの、ご、ご褒美は」

「何がいい?」

「名前で呼んでほしいです。出来るなら、僕も藤川さんを名前で呼びたいです」

「なんだそれぐらい。信治くん」

ああ、彼岸飛び越えて、天国が見える。
パトラッシュの最終回もこんな感じに違いない。

でも死にきれない。
天国行っても自力で戻ってこよう。

「はい、紅葉さん!」

彼女の隣にぴったりと寄り添える場所へ。