(四)
全治、一ヶ月だった。
彼女に会えないのが寂しいと思ったが、お見舞いにちょくちょく来てくれた。
そのおかげで、血圧が上昇し、一週間退院が延びたのはさておき。
退院初日、僕は彼女の後ろ姿を追っていた。
今日は彼女の友人ーー幼なじみたる子と会うようだけど、何故か彼女は、幼なじみの隣ではなく後ろに。
何をやっているのかと思えば、どうやら、幼なじみの子とその彼氏のデートを見ているらしい。
なるほど、彼女は優しいから、幼なじみが悪い男に騙されてないかこっそり後をつけているのか。
片手に所持しているカメラはもしもの時、証拠として使うのだろう。優しい上に頭もいい、流石は彼女だ。
「お、佐々木くん。ちょうどいいところに。水持って、男の方にぶつかってくれないかしら。フリでいいのよ。間抜けな面を彼女に見せつけて、落ち込ませて病ませたいの」
僕の存在に気づいた彼女が、ちょいちょい手招く。幼なじみの彼氏がこちらを笑顔で威嚇したのはさておき、彼女が言うならやるしかない。


