インターホンが鳴った。 壁に掛けられた時計に目をやれば 4時30分を指していた。 モニターに映る見慣れた顔。 この家のインターホンを鳴らすのは春紀しかいない。 ≪…なに?≫ 「会いにきた。開けて。」 ≪……わかった。≫ 私はボタンを押した。 わざわざエントランスで呼び出さなくても 玄関のインターホン押してくれればいいのに。 数十秒後だった。 玄関の戸をノックする音が聞こえた。 「俺だよ。」 私は開けた。