見覚えがあるような、そのボタン。 「ここのだよ」 トントン、と自分の胸を指で突っつく惟月。 もしかして… 「第、2…ボタン?」 「そう、美月にあげたかったから」 照れるように笑う惟月を、皆は知らない。 あたしだけがこの惟月を知ってる。 あたしだけに見せてくれる、惟月。 「…お返し、多すぎるよ…あたし、ただのチョコだったのに…っ」 「ううん、ただのチョコなんかじゃない」 「え??」