「叉牙くん…?」 「ん?」 これからも友だちでいいんだよね? これからも仲良く出来るんだよね? 「んーんっ何でもないっ!」 この時のあたしは、まだわかってなかったんだ。 人の想いがどれだけ強いか。 どれだけ力があるか。 “好き”の想いを無くすことが、どれだけ難しいかを…。 「そんな泣いてたら目ぇ赤くなっちゃうぞ?」 「ん…うん」 叉牙くんの袖で涙が拭かれる。