すごい寒がりなのに薄着だし…。 「ほら」 差し出された手を見ればくすりと笑った。 「寒いから手繋いでよ。 手袋して来なかったのは美月のせいなんだからな?」 「…ぅん」 あたしを見て笑う顔。 お兄ちゃんのその顔、大好きなんだ。 「早く」 手を伸ばしかけて…やめた。 何であたし今まで普通に手繋げてたんだろ?! 恋心は、自覚した途端に育ち出す。 「ぇ…あ、ポケットに入れとけば??」 手なんて繋げないよーッ! 「は?…なんで?」