あたしの唇に、ぶつかった。 「…ん?!」 すぐそばにある顔は、真剣な表情で あたしのファースト・キスを奪っていく。 「んん!…ゃ…っ」 助けて助けて助けて!! 誰か助けて!! こんなの叉牙くんじゃない… あたしの知ってる叉牙くんは優しくて、いつも笑って… 助けて莉禾さん…ッ! 助けてほんとの叉牙くん…ッ! 助けて… 「ぉ…に、…ちゃ…ッ!」 涙が溢れて口に入ってくる。 お兄ちゃん、助けて…お兄ちゃんッ!!