「!わ、忘れて!!」 「やだ、忘れない」 「!?…えっ」 背中に回される、暖かい腕。 惟月…何で抱きしめるのっ? 「俺はいつまでも美月のこと、想ってる」 「っ…!」 だめ、泣いちゃう…っ。 唇を噛んで、痛さでまぎらわせようとした。 そうしなければ、惟月への気持ちが溢れ出しそうだった。 「美月…」 腕が離されて、惟月の手が唇にあてられる。 「ごめん、俺…っ」 やだ、悲しそうな顔しないで…ッ! 惟月は、幸せじゃないの…??