「美月ー起きろー!」

「ん〜〜…」


あたしの朝はあなたから始まる。

それはあたしが生まれる前から続いていること。


「美月おはよう」


この笑顔を見て、この声を聞いて…

あたしの1日は始まる。


「おふぁよ、お兄ちゃんん…」

「早く顔洗ってきな?
 Yシャツアイロンかけとくから」


そう言いながらお兄ちゃんはあたしの寝癖を手で直す。


「ぅん…」


楓 美月 中学2年生。

兄の楓 惟月がいなかったら、何も出来ない甘ったれっ子です。

顔を洗って鏡を見ると、いつも思う。