わざわざカウンター席に座ってなにを聞き出そうとしているんだろう。


ほんと、バカだ。


私ってこんなに迷惑な人だったんだ。

虚しくなって、うさぎさんのいるカプチーノを見つめると、それが泣いているように見えた。


思いを込めながら時間をかけて飲み干した。


「あのっ、色々聞いてしまってすみませんでした」


「いいえ」


「……また来てもいいですか」


「勿論ですとも。いつでもどうぞ」



カフェを出た私の目に夕陽が注がれた。眩しかったけど、目はつぶらなかった。


擦り剥けた膝はかさぶたになるけど、人生に治癒能力はないんだ。

無性にかさぶたを剥がしたくなった。

でも、剥がさなかった。


結局、最後は自分次第。

誰が助けてくれるでもない。