「ちょうど時間も昼だし、そろそろご飯でも食べようか」

「うんっ、なに食べる?」

「んー、俺普段ファミレスくらいしか行かないからなぁ」



ふたりして頭を悩ませながら、人の行き交う街をまた歩く。



「うーん、私も外食といえばご飯が美味しいっていうよりお酒が美味しいお店ばっかりだからなぁ……」

「あぁ、酒飲めるんだっけ」

「うん!弱いけど好きだから、たまに莉緒とかとランチして昼間からワイン飲んじゃったりするんだけど、昼間に飲むワインがまた美味しくて……」



あ、ても彼方くんみたいに若い男の子ならもっと安くてガッツリなところのほうがいいよね?うーん……。

通り沿いにある飲食店の看板を眺めながら言うと、彼方くんはなにかに気付いたようにこちらを見る。



「ん?どうかした?」

「いや……七恵って、本当にハタチだよね?そのわりにはやけに居酒屋とか酒とか詳しいと思って」

「え!?そ、そう!?」



げっ!ま、まずい!

確かに20歳そこそこの女が昼間からワイン飲み慣れていたりしたら……怪しいよね!?



「もしかして、七恵ってさ……」



もしかして、ばれた!?

ギクッとする私の心を見抜くように、彼方くんは口をひらく。