「はぁぁぁ〜……」
深い溜息をついていると、しばらく走った先で電車は止まる。
『青島大学前、青島大学前ー……』
そのアナウンスとともに、何名か大学生らしい男女が乗ってくるのが見えた。
青島大学……ってそっかぁ、大学前の駅だから学生さん多いんだぁ。
こんな遅い時間までお勉強かなぁ、それとも遊んでたのかなぁ。たぶん遊んでいた方か。どちらにせよ若いなぁ。
思えば私にもあんな若い時期がありました……。
けど、歳はとっているはずなのに、私はあの頃からなにも変わっていない。
いつも恋に一喜一憂して、落ち着けない。私がこうして、彼氏が出来て浮かれて別れて泣いてを繰り返している間にも、友達はみんな結婚して、出産して……そのままなのは私だけ。
そりゃあ、やけ酒でもしなくちゃやってられませんよ……。
「おい兄ちゃんよぉ、今俺に荷物ぶつけたよなぁ!?」
すると、電車内に突然響いた男性の声。
ん?なにごと?
そうボーッとした頭で顔を上げ見ると、目の前では中年のサラリーマンが、なにやら若い男の子に怒鳴っている。



