本当は莉緒にも言いたい。だけど言葉にしようと頭の中で『彼方くんと付き合った』と思い浮かべるだけで、幸せいっぱいで上手く言葉にならずにデレデレとしてしまう。

まぁ、莉緒もうんざりとして聞きたくなさそうな顔をするし……。



けどもう一週間も経つわけだし、そろそろ報告しておこう。そう考え、私は頬が緩みそうになるのをこらえ「ゴホン」と席をひとつした。



「実は……彼氏が出来たの」

「は?」

「あぁ……最近18歳の話聞かないと思ったら、他に彼氏出来てたのね。おめでとー」

「違うの!彼方くん……18歳と!付き合ったの!」



まさか彼方くんが相手とは予想もつかないのだろう二人は、言い張る私にキョトンとした顔を見せた。



「18歳と、付き合った?」

「うんっ!やっぱり願えば叶うっていうか、信じるものは救われるっていうか!」



誇らしげに言うと、二人は固まり顔を見合わせた。かと思えば途端に向けられたのは、哀れむような眼差し。



「……七恵、ついに妄想と現実の区別が……」

「可哀想に……」

「って、妄想じゃないよ!?」



ふたりしてひどい!!

弁解するように声をあげると、ポン、とエレベーターがついた。