「七恵、大丈夫?」
「へ?う、うん!大丈夫!」
そんな私の様子を気にかけるように、隣に座る彼方くんは、飲み物片手に私の顔を覗き込んだ。
「原くーん、それ誰?」
「彼女?紹介しろよー」
すると飲み物を手に席を移動してきた女の子と男の子は、興味深々にこちらを見る。
「あ、えと、川崎七恵と申します!」
「七恵ちゃんね。なになに彼方、かわいいじゃ〜ん」
「でしょ。羨ましがってもあげないよ」
「なんだよノロケやがってー!」
か、彼方くん……!嬉しいけどはずかしい!ストレートな人だとは思っていたけど、人前でこうして言われると照れてしまう。
堂々とする彼方くんと照れる私、そんな私たちに彼方くんの友達たちは「あはは」と笑った。
嫌な顔もせず、『彼方の彼女』として受け入れてくれる。若い子たちも意外とやさしいなぁ……。
まぁ、彼方くんの友達だもんね。いい子で当然かぁ。少し感じた安心感に、つい頬は緩んだ。
「なにー、彼方の彼女?見たい見たーい」
話が聞こえていたのか、輪へと入り込んできたのは二人の女の子。
明るい茶髪のショートカットの子と、ワンレンにしたロングヘアの子。見た目きつそうな顔立ちの二人は、きゃっきゃとはしゃぎ彼方くんの隣へと座る。



