「なに、また年下彼氏の話?夢中だねぇ、お前も」

「そりゃあもう!ぞっこんです!!」

「なのにクリスマスの日に予定入れられちゃうんだもんなー、可哀想に」

「うっ!!」



その言い方……絶対可哀想だと思っていない!!

意地悪な一言はぐさりと刺さり、私はふてくされたように口を尖らせビールを一口飲んだ。



「はぁ……私って、浮き沈み激しいですよね」

「あ、自覚あるのか」



……せめてそこは、少しくらいフォローしてくれてもいいと思う。すみませんね、浮き沈み激しくて!



「私だって好きで浮いたり沈んだりしてるわけじゃないですもん……寧ろ、あれこれ考えて一人でわたわたして、そんな余裕のない自分がいやです」



もっと、余裕を持って振る舞いたい。彼の一挙一動にふりまわされず、どっしりと構えて不安にならずにいたい。



「けど、そっちの方が『恋してる』って感じだろ」



私のぼやきに、彼は自分の飲みかけの焼酎が入ったグラスを手にとる。溶けかけた氷がカラン、と音を立てた。