この空の下で


「凛ちゃんごめんね。
あの、
携帯の番号とメアド教えて下さい。」

そう言い携帯を差し出してきた。

「はい!どうぞ!」

優くんの携帯は受け取らず、
自分の携帯を優くんに渡した。
赤外線であたし達の番号は、
お互いの携帯に入っていった。

「あ!
でもあたしメアド変えるんだった!」

あたしのメアドには、
廉の名前と付き合った日が入っていた。

廉が恥ずかしがった事を思い出す。

この日からあたしは、
廉をどんどん苦しめたんだよね。
好きでもないのに、
何故こんなメアドにしたのか。
あの日のあたしにうんざりする。

「じゃあ今決めなよ!
面白いメアドにしなよ!!」、

優くんもわかったんだろう。

「普通のメアドにするからいい。」

気を使って言ってくれたのに、
普通に答えるあたしは、
本当に可愛げがない。

「さすが凛ちゃん!」

そう笑いながらお茶をがぶ飲みした。

「おかわりは自分でどーぞ!
あたし今から友達に、
メアド変えたってメールするから、
適当にしてて。」

「じゃあ俺に今送って。」

本文に、バカと打ち、
すぐそこにいる優くんに送った。


「あ、来た!
あれ?凛ちゃんって名前違うの?」

「いや、あたしは凛です。
それは実家の犬の名前だよ!」

新しいメアドは、
実家で飼っている、
2匹の犬の名前と誕生日。

「あはは!本当だ!名前が2個あった!
ビックリしたよ、
名前違うのかと本気で思った!
っておい!バカじゃねーよ!」

いや、バカでしょ?そう言い笑った。