この空の下で


帰ってきたあたしは、
急いでシャワーを浴び、
廉を傷付けに行く為に再び化粧をした。

あ、その前に結衣に電話しなきゃ!
結衣を思い出し、電話をかけた。

「ちょっと!凛大丈夫?」

もしもし?
も言わない結衣は初めてだった。

「ごめん!ちょっと前まで寝てて、
さっき送ってもらったとこ。」

「凛ごめんね?
あたしずっと寝ちゃってて。
サングラスかけて寝てる凛見た時は、
何があったのかわからず、
起こそうと思ったんだけど、
優ちゃんが、
さっきまで起きてたから起こすな!
って言うから諦めて、
先に降ろしてもらっちゃったんだ。
優ちゃんは絶対傷付く事しない!
って剛が言うから、
信じちゃったけど大丈夫だった?」

「うん。大丈夫。優しかったよ。」

「え?優しかったよって何?
もしかしてHしちゃった?大丈夫?」

慌ててる結衣が想像できる。

「どんな勘違い?
してませんから!
海で花火したり、
車で話したりしてただけだよ!
優くん好きな人いるっぽいし、
好きな人以外女に見えないって言ってた。
だから友達になってあげた!」

花火の勝負の話をすると、
長くなりそうなので、
簡潔にまとめてみた。
友達になってあげたってかなり上から。

「よかった〜!
居酒屋での2人見てたら、
ケンカでもしたのかと思った!
無理矢理ヤられた〜とか言われたら、
どうしようかと思ったよ!」

どんな心配してくれてたんだろうか。

「とりあえず、今から廉と会ってくる。
ちゃんと別れてくる。」

「え?どうした?
まさか優くん好きになった?」

とんでもなく早とちりな結衣。

「違うよ!
廉に謝ってあたし進むことにしたの。
結衣や廉に、
これ以上イヤな思いさせないように。
これ以上、傷つけない様に。」


「ごめん。あたし全くついてけない。
ちゃんと話し合ったら連絡して?
凛?
あたしイヤな思いなんてしてないよ?
凛が大好きだからね。」

「わかった!また連絡するね!
あたしも大好きだよ〜!
結衣にたくさん背中押してもらった。
今までありがとう。」

「やだ〜素直な凛気持ち悪い〜!
なんてね、頑張って行っておいで。」

また、結衣に背中を押された。

あたしが頑張る事じゃなくて、
廉を傷付けに行くだけだけどね。

電話を切り、
あたしは廉の所へ向かった。