この空の下で


「なんかごめん。」

申し訳なさそうに言う優くん。

「いや、いいよ?」

「今はそいつから連絡とかは来ないの?
大丈夫なの?」

「こないよ。
会って話もしたし、番号も変えたし。」

「え?会ったの?怖くなかったの?」

「怖かったけど、
このままじゃ、
お互い悲しいままになっちゃうな。
そう思って会ったの。
ただひたすら謝り続ける彼氏に、
ごめん。もう無理だよ。
それしか言えなかったけどね。」

「強いんだね。頑張ったね。」

優しく微笑む優くん。

「でも、あたしも悪いんだから。
別れる原因って、
一人が悪いからじゃないじゃん?
お互いが思いあえなくなるから、
別れるわけで。
調子に乗った彼氏も悪いけど、
嫌だと言えずにいたあたしも悪い。
大人ぶっちゃってさ。
あたし本当は、
ものすごいヤキモチ焼きなのに、
それを押し殺して付き合ってた。
あ。あたし元から素直じゃないじゃん。
あいつのせいじゃないじゃん。」

笑うあたしに、

「いや、どう考えたって男が悪いだろ!
凛ちゃんに、
本心を言わせてあげる場所を、
作ってあげなかったのそいつだろ?
辛くて苦しい思いしてきたんだね。
男がみんなそんな奴じゃないよ。
信じれる男いるから絶対!」

「あはは!絶対言ったな!」

「この絶対は本当の絶対!」

「本当の絶対って何?」

そう言い笑うあたしに、

「凛ちゃんヤキモチ焼きなのか〜。
いや〜マジ意外だわ〜。」

と茶化す優くん。