この空の下で


「ごめん。俺バカだ。」

そう言うと、あたしの隣に座った。

「俺、言葉選ぶの苦手でキツい事、
平気で言っちゃうんだよね。
傷付ける事言っちゃってごめん。
過去と比べてごめん。
笑うなとか言ってごめん。
彼氏と別れて俺と付き合ってって、
言ってごめん。
俺はただ、
幸せな顔してる凛ちゃんが見たい。
困った顔で笑う凛ちゃんは悲しい。
泣いてる凛ちゃんは苦しい。」

そう言い、あたしの涙を手で拭った。
反射的に避けてしまった。

「ごめん。
嫌いな奴に触れられたくないよね。」

そう言ったまま黙って隣にいる。



「あたしね?
今まで彼氏も結衣もみんな、
そう思ってるってわかってたのに、
言われないからってそれに甘えて、
自分を正当化しようとしてた。

今日会ったばかりの、
優くんにさえわかるんだもん。
みんなもわかってたよね。

彼氏はもの凄く悲しくて、
苦しい思いをしてるよね?

あたし、別れる。

向き合えないくせに付き合って、
傷付けて、なにやってるんだろーね。
あたしなんかの何が良くて、
付き合ってくれてたのかな?

優くんありがと。
イヤな人って思ってたけど、
真っ直ぐでキレイな心を持ってるんだね。
あたしは、
自分の気持ちを伝える事が出来ない。
相手の顔色を伺って、言いたい事も言えず愛想笑いばかりしてるの。

あたしの愛想笑いは困った顔なのか。
笑ってれば周りに嫌な思いさせない!
なんて思ってたけど、
かえって気を使わせてたのかな。
もう、自分が嫌になる。」