この空の下で


「優、泣くのやめよ?
もう事実を変える事は出来ない。

あたし達に未来はない。

明日から会う事も許されなくなるの。
最後に話そ?」

流れてくる優の涙を手で拭い抱きしめた。

「優?
あたしは幸せだったよ。
出会えて付き合えて幸せだった。
たくさんの愛をもらった。
毎日、優でいっぱいだった。
優がいるから楽しかった。
優とだから幸せだった。

悲しいけどお別れだよ。

あたしの番号消して?
マンションも越して?
無理ならあたしが引っ越す。

二度と目の前に現れないで。
そして、あたしを思う事もやめて。

高城さんと子供を愛してね。
優ならきっと愛せる。
高城さんね?
優が運命の人だと言ってたよ?
運命は変えられない。
そう優が教えてくれたよね?
幸せになってね。」

抱き合いながら、
残酷な現実を受け入れていくあたし達。
ギュッと強く抱きしめながら話した。

甘える事は出来ない。

突き放して別れなければ。

二度と会えないのは嫌。
二度と連絡取れないのはもっと嫌。

けど、言う事は許されない。

もう、あたしとは他人。
明日から、他人に戻るんだから。