この空の下で


「はい!なんですか?」

「一つ言い忘れた事があって。」

「どうでもいいですけど。」

もう聞きたくない。
でも別れる事は教えない!

そんな事を思いながら、
相手の出方を待っていた。

「どうでも良くないんですよ!
ちゃんと聞いていて下さいね?

さっき調べたんですけど、、、



あたし妊娠してました。」

ん?は?え?

エェェェ!?

「そ、それは優なの?」

「は?え?何?」

あたしの言った言葉に優が声を出す。

「それ以外ありませんから。
優に電話しても出てくれないので、
今、代わってもらえます?」

本当なの?嘘でしょ?
え?どういう事?
なんで?どうして?

訳のわからないあたしは、
無言のまま優に携帯を渡した。

優は嫌だと言ったけど、
あたしじゃなく、
優が話さなければならない事だと言った。
あたしの態度と、
言葉に何か感じ取った優は、
しぶしぶながらも、電話に出た。

高城さんが言った言葉が頭から離れない。妊娠したって嘘でしょ?
だって会ったの三ヶ月前だよね?
え?もしかして最近も会ってた?
優、何が本当なの?

妊娠したなら、優の子ならば、
あたし達は今すぐ離れなければならない。
目の前から消えなければならない。
一生、会う事は許されない。

優が怒鳴っている声で我に返った。

「優が怒鳴るな!ちゃんと聞けよ!
あんたのした事でしょ?」

怒鳴ってる優にあたしが怒鳴っていた。

優から携帯を奪い取り、

「何回も会ってたの?」

「いや、あの時だけです。」

そう言い泣いていた。

「なんで今頃調べたの?」

「あたし不順なんで、
今回もそうだと思ってたんです。
けど、微熱が続き、体調も悪く、
もしかして?と思いさっき調べました。」

「そっか。
優がした事は最低だね。
あたしは別れるから、
優と育てて下さい。
今から別れるから電話きるね?
最後に話すだけだから。
終わったら優に電話させるから。」

そう言ってる自分が虚しかった。