この空の下で


「優も嘘つくの?
飲み会に行った日あたしになんて言った?
嘘はつかない。
裏切らないって言ったのに?
酔っ払ってたから仕方ないの?

あたしが忙しくて会えなかったり、
結婚式の準備をなかなかしなかったから?
あたしが当たり前だと思ってたから?
だからなの?
あたしが疑う事忘れてたから?
ねえ?だからなの?」

あたしと会えない週末に、
誘われて飲みに行ったのは、
1人じゃ淋しかったからだよね?
そうだよね?

お酒に飲まれたくないと、
よく言ってたのに、
記憶がなくなるまで飲むって、
ありえないでしょ?

あたしが悪いんだ。
と何故かこの時は思った。

もうパニックだった。
まさか、優が。
そう思ったら思考が止まってしまった。

付き合ってから今まで、
一度も疑った事がなかった。
信じきっていた。

信じる事が出来なかったはずなのに。

優のおかげで、
信じる事が簡単だと気付いたのに。

疑う事よりも簡単だと知ったのにな。