この空の下で


「凜ごめん。
言ってない事がある。」

「でしょうね!
とりあえず車まで行って!」

きっとあたし達は、
すごい顔をして、
結婚式場を後にしたでしょう。
きっと、
周りは幸せな笑顔ばかりだったでしょう。

「凜ごめん。」

「何が?」

「俺ずっと言わなきゃと思ってた。」

「言い訳はいいから、なんなの?」

あの人が言った事が本当なのか、
でもハッキリ言わなかったから、
本当はどうなのか、真実を聞きたかった。

今までとは違う怒り方だと気付き、
優は、申し訳なさそうに話し出した。


あの女の人とは、飲み会で会った。

会社の先輩に頼まれて、
三ヶ月前の金曜に一度だけ行った。

その時にかなり飲まされて、
記憶がなくなる程だった。

気付いたらホテルにいた。

でもエッチはしてない。
けど、キスはした。
キスされてる時に起きた。

知らぬ間に連絡先交換してた。
その時に
あたしの連絡先もあの人に知られてた。

付き合ってと言われたけど、
彼女しか興味ないと断った。

メールとかも無理と言うと、
彼女にバラすと言われた。

毎日執拗にくるメールに、
たまに返信していた。

飲んでる時に、
結婚式場を探してる事を先輩が言ったら、ここで働いてると言ってたから、
ここには来たくなかった。

言おうと思ったけど、
悲しませちゃうから言えなかった。

そんな様な事を話したと思う。

ホテルに行ったって聞いて、
頭が真っ白になった。

酔っていたからってホテルに行く?

キスされてる時に起きたって、
そんなことありえる?