この空の下で


「そんな頭ポンポンしてきたの?」

可笑しくなり意地悪な事を聞く。

「してねーし!
いや、嘘。
したことあるけど、そんなしてないし!」

なんじゃそりゃと笑い、
少し苛めたくなったあたし。

「優くんさっきも、
プリクラ撮り慣れてる感じしたけど、
よく撮るの?」

「え?いや、全然。
やっぱ嘘。
彼女いた時は、
彼女に形に残したいって言われて、
よく撮ってた。」

「いい彼女だったんだね〜。」

さっきあたしは、
形に残すなら好きと言われた方がまし。
そう思った嫌な奴。

「でも俺、最低だし。」
下を向きながら小さな声で言う。

「最低にさせてるのあたしでしょ?」
優くん真っ直ぐだよと思うけど言えない。

「違う!俺なの。」

「違くない!
あたしに出会わなければ、
もっと幸せだったでしょ?
ここに越してきて、
あたしを見なかったら、
もっと幸せだったの!」

「凛ちゃんに出会えて幸せなの。
最低だけど、他はどーでもいい。
凛ちゃんに出会えてなければ、
もっともっと不幸なんだよ!」

真っ直ぐあたしを見る。
ごめん。あたしは見る事が出来ないよ。

下を向くあたしに優くんはごめんと言い、ビールを取りに行った。