この空の下で


ゲーセンに着き落ち着かない2人。

「今日は日菜子ちゃんいなかったね?」

「そうなの?気にもしなかった。
あれから一切、連絡こなくなったよ。」

何故いまになってこの話題を出したのか。

「よし、撮りに行くか!」

そう気合いを入れて車から降りた。

優くんと手を繋ぐ事なく、
あたしは中へ入っていった。

中は音楽がうるさく、
ガヤガヤと騒々しい。
プリクラを探し、
キョロキョロしていると、
優くんに手を取られ何か言っている。

「え?聞こえない!」
優くんの腕をひっぱり、
耳元近くで言うけど、
聞こえないのかどんどん歩いていく。


プリクラを見つけた様で中に入った。

「やべー!
うるさくて聞こえないし、
凛ちゃん1人で、
どっか行っちゃいそうだったし。」

「あたしはプリクラ探してたの!」

そう大きな声で言いながら手を離した。

この中も音楽がガンガンなのか。
それより、
優くんとどうやって撮ったらいいんだろ?
そう思っているのに、
どんどん進めていく優くん。

「全身うつるのと、
アップのやつ両方でもいい?」

あたしはオッケイと手で丸を作った。

いくよ〜と言われ、

1枚目は、
普通に距離をおき撮った。

2枚目は、
もっと近寄ってと言われ、
すぐそこに優くんの顔があった。

3枚目は、
全身だったので手を繋いだ。

4枚目は、
後ろから抱きしめられた。

ちょっと!
後ろから抱きしめないでもらえます?

4枚目のあたしの顔はこんな顔をしてた。
これはダメ!
そう言ったのに、
全部欲しいと言われ負けるあたし。

ラクガキも困る。
名前しか書かないあたしに笑い、
ラブラブ〜って書いてみてよと茶化す。

茶化されたあたしは優くんに言われた通りラブラブ〜とハートまで書いた。

なにをしてんだろ?

次のやつには、
普通に日付けのスタンプを押した。

スタンプだけでいいや!と思って、
優くんを見ると何か書いている。

見んな!と言われ顔を向こうにおされる。
なんだよ!と思ったあたしは、
次のやつには優くんに矢印を書き、
バカと書いた。

プリクラが出てくるまで、
ソワソワしてる優くんが可笑しくて、
手招きする。

「落ち着け!」そう耳元で囁くと、
「うるせえ。」そう囁き返して来た。

出てきたプリクラを嬉しそうに持ち、
逆の手にあたしの手を持ち、店を出た。