この空の下で


「凛ちゃんいらっしゃ〜い!
なかなか来てくれないから、
こいつ振られたんじゃないかと、
心配しちゃったよ!
別れてないって言い張るから、
連れてこい!なんて言っちゃった。
ごめんね。」

付き合ってないから、
別れてないんですよオーナーさん。

「すいません。
仕事が忙しくてなかなか来れなくて。
優くんとは仲良しですよ。」

そう言って腕を絡め優くんに笑いかける。

おい!照れるなよ!
はにかむ顔を見て、
こっちが恥ずかしくなってしまう。

「優!お前は本当に幸せだな。
よし!
月曜日お前ん家でみんなで飲もう!」

「え?」「は?」

「月曜日、俺と飲む約束だったろ?
凛ちゃんも一緒にって事!」

「オーナー男同士で語ろうって、
言ってじゃないですか!
しかも何故家なんですか?
あいつと3人で、
外でいーじゃないですか!」

「あたし仕事終わるの遅くて。」

便乗して断ってみる。

「仕事帰りに寄ればいーじゃん。
ね?顔出すだけでいーから。
なんか作ってとか言わないし大丈夫!」

オーナーさん?
あたしが料理出来ないから、
断ってると思ってます?
違うよ。部屋知らないし。
いや、それより付き合ってないし。

「凛ちゃん困ってるじゃないですか〜!

ヤロー3人で外で飲むから大丈夫!」

優くんが困ってる。

「凛ちゃん俺が嫌いなんだ。
おじさんだから嫌なんだ。」

オーナーさんが駄々をこねてる。

「わかりました!
仕事帰りに、
少しだけ寄らせてもらいます。」

当日、なんだかんだ理由つけて、
行かなければいいよね?
とりあえず今を乗り切らなきゃ。
そう思って言ったのに、

「え?だ、大丈夫?無理してない?」

本気で心配してる。

優くん気付いて!
演技だよ?

え、ん、ぎ
そう口パクで言ったのに、
へ、い、き
と勘違いし、

「凛ちゃんと月曜待ってます。」

そうオーナーさんに優くんは告げた。