この空の下で


起きるとお昼をまわっていた。

伸びをし、
携帯を見るとピコピコ光っている。
目を擦りながら開く。

《おはよ〜!寝れた?
今日は友達と出掛けてきま〜す。》

女と出掛けてこい!
男とだったらナンパされろー。
と念を送る。

あたしはメールを返すことなく、
1日が始まった。

掃除や洗濯をしながら結衣にメールする。

【今日暇?
話さなきゃいけないことあるから、
時間あるならご飯行きたいなぁ。】

すぐに返信がきた。

《あたしも話したい事ある。
いつものところに17時で。》

時間を見るともう16時。

バタバタと支度をし家を出た。
エレベーターから降りてから少し躊躇う。
いつものところに行くにはこの道を、
優くんのマンションの前を、
通らなければならないから。
そう思ったあたしは、
携帯を出しメールしながら歩く。

【おはよー。
たくさん寝ました〜。
今からご飯食べにいってきまーす。】

会ったら気まずいと思ったあたしは、
優くんにメールを送った。

送った後に気付く。
気まずくたって、
嫌われ様と思ってるんだから、
別に送る必要なかったと。

《いってらっしゃーい。
男と行くの?なーんてね。
ナンパには気をつけてね〜。》

すぐに返ってきた返事を見て下を向く。

あたしは返信することなく、
下を向いたまま足早に、
優くんマンションの前を通り過ぎた。

あたしの心配なんてしないで。

あたしはナンパが嫌い。
あたしに声をかけてくるのは、
誰でもいいから楽しもうぜ!
と思ってるアホな男と、
飲み屋のキャッチのみ。
あたしは、綺麗でも可愛くもない。
ただ露出高めの服装ってだけ。

見た目で判断されたくないと言いながら、自分が惑わしている。
バカなのは自分だと確信。

だけどあたしはあたし。