この空の下で


「うわ!ビックリした〜!」

思わず素の自分が出てしまった。

「はじめまして。日菜子と言います。
優さんに聞いてるかも知れませんが、
あたしは優さんが好きです。
あなたは本当に優さんが好きですか?
頼まれて彼女のふりしてませんか?」

え?この子にはバレてる?
でもこの子だけには、
バレちゃダメなんだよね。

「聞いてるよ。
毎日電話したりメールしてくるでしょ?
そんなに好きなの?」

優しく問いかけてみる。

「好きなんです。
諦めきれないんです。
だって、
断られてからも毎日、

メールも電話もしてくれていたんですよ。
だから、
もしかしたら。って思っちゃってました。
お願いします。別れてください。
好きじゃないなら、
本気じゃないならあたしにください。」

そう言い頭を下げる。

「やめて!」そう言いあたしは座り、
下から日菜子ちゃんを覗き込む。
泣きそうな顔をしている。

どうしよう。

「日菜子ちゃん、
あたしが優くんと別れたとしても、
優くんは日菜子ちゃんの所には、
行かないんじゃないかな?
はい、あげるって言って、
あげれるものじゃない。
人の心はあげたりすること出来ないよ。
日菜子ちゃん彼女出来たら諦めるって
優くんに言ったんだよね?
それを信じてるよ?
だから今日ここに来たの。
あたしは優くんが好きだよ。
本気じゃなきゃ付き合ってないよ。」

悲しい嘘を、
平気な顔をして言う自分が怖くなる。

何をしてるんだろあたし。
昼間廉を傷付け、
今は日菜子ちゃんを傷付けてる。

優くんあたし苦しいよ。悲しいよ。