(6)病院

11月に入ると、次第に、
肌寒い日が増えて来たが、
その日は、やけに暑かった。


  「ふ~、暑いなあ」


キャプテンの矢島は、
額の汗を拭いながら、皆に向かって、


  「みんなぁ、今日はかなり暑いから
   水分補給、忘れないでね」


  「はいっ」


  「そうだなぁ」


矢島は少し考えてから、


  「よしっ、水分補給タイム。
   3分、休憩」


と、大きな声で、皆に言った。


佐紀は、一人で、
フリー・シュートを打っていた。


  「サキっ、ちょっと、休みなよ。

   水分、摂っておかないと
   ヤバイからね」


そう声をかけて、
矢島は、自分も水分補給のため、
コート・サイドへ行った。