佐紀の頬を、涙が伝う。
それを見た梨沙が、
「サキ、もういい。
もういいよ。
もう、無理して
話さなくていいよ」
「だって、祐太の………
祐太の………」
佐紀の悲しみは、皆にも伝わっていた。
皆が、涙を拭っていた。
華子が、涙ぐみながら、
「ごめんなさいね。
私が、つまらないことを
言ったばっかりに」
梨沙は、佐紀を抱きしめ、
「もう、いいじゃん。
祐太には、十分、
伝わってると思うよ」
すると佐紀は、少し落ち着いて来た。
梨沙は、皆に、
「今日は、もう、帰ろう。
サキは、私が見るから」
「じゃあリサ、お願いしますわ」
「リサ、頼んだでぇ」
「じゃあ、明日」
皆が、口々に言って、帰って行った。

