「部活~ウチらバスケ部~番外編」    佐紀、二十歳


佐紀の頬を、涙が伝う。

それを見た梨沙が、


  「サキ、もういい。

   もういいよ。

   もう、無理して
   話さなくていいよ」


  「だって、祐太の………
   祐太の………」


佐紀の悲しみは、皆にも伝わっていた。

皆が、涙を拭っていた。

華子が、涙ぐみながら、


  「ごめんなさいね。

   私が、つまらないことを
   言ったばっかりに」


梨沙は、佐紀を抱きしめ、


  「もう、いいじゃん。

   祐太には、十分、
   伝わってると思うよ」


すると佐紀は、少し落ち着いて来た。

梨沙は、皆に、


  「今日は、もう、帰ろう。

   サキは、私が見るから」


  「じゃあリサ、お願いしますわ」


  「リサ、頼んだでぇ」


  「じゃあ、明日」


皆が、口々に言って、帰って行った。