それからもナッキーは、
しつこく、男の子を薦めて来た。
「ねっ、あの子なんか、どう?
なんなら私、話、つけてこようか?」
ナッキーの積極性は、
留まる所を知らなかった。
「もういいよ、私は。
バスケが恋人なんだから」
「えー、もったいないなあ。
二度とない青春なんだから、
もっと楽しまないと、損だよ」
「私は、バスケに青春を
捧げるんだ」
ナッキーは、ちょっと悪戯っぽい笑みで、
「それ、負け惜しみじゃなく?」
「そうだよ、今しか出来ないもん」
「まっ、バスケ、歳とってからじゃ、
無理だよね」
「ナッキー、
誰かと、付き合ってるの?」
「今、フリー。
友達は、イッパイいるけど、
今は一人に、縛られたくないんだ」
「ふーん、ナッキー、昔、
人見知りだったなんて、
信じられないよ」
「楽しいよ、いろんな人と触れ合って
青春を謳歌してるって感じ?
サキも、もっと外に
出て行かなくちゃ」
「うーん、バスケやってると、
なかなかね」
「女バスなんかの、女の園にいるから
出会いが無いんだよ」

