「部活~ウチらバスケ部~番外編」    佐紀、二十歳


次の日、
佐紀が、どんよりとした雰囲気で
教室に現れると、ナッキーがやって来た。

ナッキーは、佐紀を見ると、


  「オッハヨォー、
   昨日は、どうだった?

   あれっ、どうした、サキ、
   暗いなぁ。

   さては、フラれたかぁ?」


しかし、佐紀からの返事はない。

ナッキーは、冗談で言ったつもりが、
核心をついていた。


  「えっ、サキ、
   ホントにフラれたのぉ?」


ナッキーは、素っ頓狂な声を上げた。


佐紀は、あわててナッキーの腕をつかむと
教室の隅に、引っ張って行った。


  「ちょっと、やめてよ。

   大きな声で言うの」


  「えっ、ホントなの?」


  「う、うん、まあ」


  「ごめーん、冗談で言ったのに、
   当っちゃった」