次の日、
佐紀が、どんよりとした雰囲気で
教室に現れると、ナッキーがやって来た。
ナッキーは、佐紀を見ると、
「オッハヨォー、
昨日は、どうだった?
あれっ、どうした、サキ、
暗いなぁ。
さては、フラれたかぁ?」
しかし、佐紀からの返事はない。
ナッキーは、冗談で言ったつもりが、
核心をついていた。
「えっ、サキ、
ホントにフラれたのぉ?」
ナッキーは、素っ頓狂な声を上げた。
佐紀は、あわててナッキーの腕をつかむと
教室の隅に、引っ張って行った。
「ちょっと、やめてよ。
大きな声で言うの」
「えっ、ホントなの?」
「う、うん、まあ」
「ごめーん、冗談で言ったのに、
当っちゃった」

