「部活~ウチらバスケ部~番外編」    佐紀、二十歳


公園に着いて二人は、
腕を組んで、歩き始めた。

組む時、祐太がピクッとしたと思ったが、
気のせいかもしれなかった。

佐紀がいくら話しても、
黙ったままの祐太に、
少し違和感を感じながらも、
佐紀は話し続けた。


突然、祐太が立ち止まり、
初めて、口を開いた。


  「俺たち、もう、終りにしないか」


祐太は、そう切り出した。

あまりの唐突な申し出に
、佐紀は声も出ず、
ただ、祐太を見つめるだけだった。


  「お前、前に言ったろ。

   “夢があるから、しばらく、
   付き合うのやめる”って。

   今、俺には、夢がある。

   1部へ上がる夢だ。

   4年生の、最後の大会までに、
   絶対、1部に上がって見せる。

   だから、お前とのことに割く時間は、
   ないんだ」


佐紀も、ようやく言葉を絞り出した。


  「だったら、しばらく中止
   ということでも……」


  「2年以上も、あるんだぜ。

   その間に、お前に、好きなヤツが、
   出てくるかもしれないだろっ」


  「そんなこと、ないよ」


佐紀は、小さくそう言うのが、やっとだった


  「とにかく、俺に、
   お前を縛る権利は、ない。

   俺の事は、忘れろよ」


  「そんな事、言われたって……」


佐紀の声は、消え入りそうに小さかった。