「着けていい?」
「ああ」
「ちょっと、後ろ、留めて」
「ああ」
自分で出来ない事はなかったが、
この留めてもらうことが、佐紀には、
非常に幸せな時間に思われた。
「どう?」
佐紀はそう訊いたが、祐太の返事は無かった
佐紀は、祐太の感想を聞きたくて、
もう一度、訊ねた。
「どう?似合う?」
「ああ」
やはり、ぶっきらぼうな言葉が
帰って来ただけだった。
佐紀は、自分が思っていた感想を訊くのは
諦めて、その代わり、
ちょっと意地悪な気持ちになって、
「祐太、こんなことするタイプじゃ
ないと思ってた」
そう、言ってみた。
「じゃあ、迷惑だったか」
少しムッとした口調でそう言われて、
佐紀は、慌てて否定した。
「そんなこと無い。
そんなこと無い、嬉しいよ。
こんな事、初めてなんで、
ちょっと、びっくりしただけ。
ありがとう」
佐紀は、包装紙をきれいに畳み、
箱と一緒に、バッグにしまった。
「ありがとう」
もう一度そう言って佐紀は、
祐太と腕を組んだ。

