「部活~ウチらバスケ部~番外編」    佐紀、二十歳


  「着けていい?」


  「ああ」


  「ちょっと、後ろ、留めて」


  「ああ」


自分で出来ない事はなかったが、
この留めてもらうことが、佐紀には、
非常に幸せな時間に思われた。


  「どう?」


佐紀はそう訊いたが、祐太の返事は無かった

佐紀は、祐太の感想を聞きたくて、
もう一度、訊ねた。


  「どう?似合う?」


  「ああ」


やはり、ぶっきらぼうな言葉が
帰って来ただけだった。

佐紀は、自分が思っていた感想を訊くのは
諦めて、その代わり、
ちょっと意地悪な気持ちになって、


  「祐太、こんなことするタイプじゃ
   ないと思ってた」


そう、言ってみた。


  「じゃあ、迷惑だったか」


少しムッとした口調でそう言われて、
佐紀は、慌てて否定した。


  「そんなこと無い。

   そんなこと無い、嬉しいよ。

   こんな事、初めてなんで、
   ちょっと、びっくりしただけ。

   ありがとう」


佐紀は、包装紙をきれいに畳み、
箱と一緒に、バッグにしまった。


  「ありがとう」


もう一度そう言って佐紀は、
祐太と腕を組んだ。