「部活~ウチらバスケ部~番外編」    佐紀、二十歳


何回目のデートだったろうか。

やはり、湖畔の公園だった。

もう年も押し迫っていて、紅葉も、
名残を残すのみとなっていた。

その反面、遊歩道には枯葉が積もり、
歩くと、サクサクと音がした。


佐紀も祐太も、
すべてのシーズンが終わり、
オフになっていた。

シーズン中は二人とも、
試合に集中していて
会うことは出来なかった。

だから、会うのは、久しぶりである。


その日は、雨だった。

二人、相合傘で、腕を組み、歩いていた。

途中で、


  「サキ、コレっ」


と祐太は、
相変わらずのぶっきら棒な口調で
小さな箱を差し出した。


  「何?、コレ」


  「ちょっと遅くなったけど、
   誕生日のヤツ」


残念ながら、佐紀の誕生日は、
秋のシーズンの真っ只中で、
会うことは出来なかったのだった。


  “オイオイ、そこはプレゼントだろう”


と思いつつ、
佐紀は、満面の笑みになった。


  「えーっ、ありがとう。
   開けていい?」


  「ああ」


佐紀は、テープをきれいに剥がし、
箱を開けると、ペンダントが入っていた。


  「ありがとう、嬉しいっ。
   どうしたの、コレ」


  「買ったんだよ」


  「へぇー、
   選ぶとき、恥ずかしくなかった?」


  「別に」


“いや、きっと、真っ赤な顔をして、
 選んだんだろうな”と思うと、
祐太が、より愛おしく思えてきた。